(418)幸福の晩酌
先日 娘2号のお友達から野澤幸代著「幸福の晩酌」(中公新書クラレ)というご本を頂いた。1月10日付朝日新聞の中央公論新社の広告にも出ていて、1月の新刊・話題書として紹介されていた。“胃と心にやさしい94皿”のおつまみのレシピが書かれている。
「男子 厨房に入るを許さず」と育った人間が、この種の本に眼が向く筈がないし、3食賄って貰っている身の上でこのような本を買って来て渡したら、「近頃のオカズ気に入らないの?」と言って凄まれる恐れもある。だが娘からの依頼となれば、晴れて覗いてみようかという気になった。
日本酒、ビール、ワイン、焼酎、その他のお酒に合うおつまみを、春夏秋冬の季節別に紹介し、調理法別にも頁の索引があって、切るだけ・混ぜるだけ・焼くだけ・炒めるだけ・煮るだけ・蒸すだけ・漬けるだけと簡単に調べられるようになっていて便利に出来ている。調理時間、難易度、2人分の材料など新婚さん向きだと思うが、たまにはベテランも、心を開いて読んでみてもいいだろう。
例えば「塩麹」。我が家では使っていないから、その効果も知らない。「炒め物や煮物、スープの味付けに塩と同じ感覚で使え、作りなれた料理に少し塩麹を加えると、味が複雑になって新たなおいしさが生まれます」として「白菜のいきなり塩麹漬け」が載っていた。
調理時間5分、難易度1.「刻んだ白菜に塩麹を混ぜ、たった30秒揉むだけで浅漬けの完成!」とある。糠味噌漬けを欠かさず食膳に供しているカミサンにとっては、何だそんなものという感じだが、たまには浅漬けも日本酒のおつまみの彩りになる と思っていたら、先日NHKのお昼のテレビで神田明神前の麹屋さんが紹介され、ご主人とこの本の著者が出てきて塩麹の作り方を説明していた。
本書のもとになったのは、2009年新年号から始まった「婦人公論」のイラストエッセイを、取りまとめたようだから雑誌の愛読者には先刻お馴染みだったのだろうが、野菜が主のメニューだから年寄り向きでもある。そして色々の酒との組み合わせが紹介されているから、日頃飲んでいないお酒も試してみようか という興味もでてくるから酒もすすみ、団欒の時間が増えて楽しいだろう。
このところ寒い日が続いているが、23日の夜にはいっとき雷も鳴る激しい雪が降った。その降り方に高田三郎作曲の組曲「心の四季」(吉野 弘詩)第6曲「雪の日に」を思い出した。そんな夜は盃を重ねたいと思うものだ。
「雪が激しく降り続ける うわべの白さで輝きながら うわべの白さをこらえながら /雪は 汚れぬものとして 何時までも白いものとして 空の高みに生まれたのだ その悲しみをどうふらそう/雪はひとたび降り始めると あとからあとから降り続く 雪の汚れを隠すため」 詩はまだまだ続くがこの辺で。




























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